道の日に「ゆいレール」開業

平成15年8月10日の“道の日”に,沖縄で「ゆいレール」が開業しました。

ゆいレール 沖縄都市モノレール株式会社

ゆいレールは,那覇空港駅から首里駅までの12.9km(営業キロ)を27分で結び,表定速度は約28km/hです。

平成6年12月に実施されたバス利用実態調査によれば,同区間のバスの所要時間は,最短42分,最長69分という結果が出ており,ゆいレールの開業により15〜42分の大幅な時間短縮が図れることになります。

昭和47(1972)年度の「沖縄振興開発計画」において,軌道系の新しい交通システムの必要が提案されてから実に31年が経過し,沖縄県で初めての軌道系交通機関が実現しました。

インフラ部(軌道構造物等)は国,沖縄県,那覇市が道路事業として国庫補助事業で実施し,県,市および民間の第三セクターである沖縄都市モノレール(株)は,車両,変電所,線路,信号,駅施設設備などを保有してモノレール事業を経営します。

なお,ゆいレールの開業に伴って,バス路線が大幅に再編されました。

那覇市関連のバス路線の再編について(内閣府沖縄総合事務所)

債務を赤字国債で肩代わり―民主党の高速道路無料化案

民主党がマニフェスト(政権公約)の目玉として盛り込む「高速道路無料化」について,道路四公団が抱える約40兆円の債務を赤字国債で肩代わりし,一般道路の建設に充てている道路特定財源の一部を使って償還するとの素案が明らかになりました。成案は8月末をめどにまとめるそうです。

赤字国債は毎年2兆円ずつ30年間で償還し,新路線の建設や保守にも年2兆円かかるとみて,年間4兆円の道路関係費を捻出するとしています。

・平成15年8月10日 日本経済新聞[注1] 道路公団債務,赤字国債で肩代わり―民主の高速無料化素案

注1: 「特集一覧」「道路公団民営化」に掲載,投稿時点では検索不可
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「高速道路無料化」の議論

羽田空港再拡張に3000億円の民間資金

国土交通省は7月30日,羽田空港の再拡張事業のうち,ターミナルや管制塔などの施設をPFI方式で整備する方針を固めました。PFIによる事業規模は3,000億円とされ,9,000億円と見込まれていた公共事業費を6,000億円まで減らせるということです。

 ・平成15年7月31日 日本経済新聞[注1] 「羽田再拡張に民間資金,PFIで3000億円・国交省」

参考リンク: 国土交通省 羽田空港再拡張及び首都圏第3空港への取り組み

注1: 「記事検索」で“羽田再拡張に民間資金”を検索して表示可

首都・阪神高速道路が距離制料金に

国土交通省は7月29日,首都高速道路と阪神高速道路の通行料金を,定額制から利用距離に応じて支払う方式に,平成16年度から段階的に移行する方針を固めました。

第一段階では,平成16年度にETC利用車を対象に,首都高速の高井戸〜永福などの特定区間や,乗り継ぎ制の対象区間を増やすことが検討されています。第二段階では,ETC利用車は距離制に,未利用車は定額制にと,混在させる見込みです。

平成12年11月の道路審議会答申では,5年後(平成17年度)をめどに首都高速などをETC車の限定利用とし,距離制料金に全面移行するよう求めていました。

 ・平成15年7月29日 産経新聞[注1] 「首都・阪神高速,距離制料金に 04年度から段階移行」
注1: 「記事検索」で“距離制料金”を検索して表示可

東京湾アクアラインで昼夜間の割引率アップの社会実験

東京湾アクアラインで今年度後半,ラッシュ時と昼夜の閑散時の通行料金を変える社会実験が行われる見通しとなりました。

ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)搭載車両を対象に,昨年から行われている割引実験を平成16年3月まで延長するとともに,昼や夜間の利用が少ない時間帯の通行料をさらに割り引く一方,朝夕のラッシュ時の割引率を減らすことが検討されています。

 ・平成15年7月22日 毎日新聞[注1] 通行料金 昼夜間の割引率アップ 東京湾アクアラインで実験へ

注1: 投稿時点では検索不可です。「ジャンル別速報」「社会」に掲載されています。

高機能舗装工事で雨天事故8割減少

名神高速道路で約10年前から進められてきた高機能舗装工事(透水性舗装材を使用)により,雨天の事故が約8割も減ったことがわかりました。

高機能舗装実施前の1年間で2,981件だった雨天事故が,実施後には488件と,8割以上減少したということです。

 ・平成15年7月15日 毎日新聞[注1] 名神高速道 高機能舗装工事で雨天事故8割減少

注1: 投稿時点では検索不可です。「ジャンル別速報」「社会」に掲載されています。

道路の「地域に応じた構造基準の見直し」

2003年6月18日、国土交通省では、道路構造基準への全国一律的なところを見直し、
地域の裁量が入るようにローカルルールを取り入れていくことを通達しています。http://www.mlit.go.jp/road/sign/pc/localruletop.html

この中で2車線(片側1車線)の高速道路規格が第一に取り上げられています。

これまで、いわゆる高速道路(JHが作る自動車専用道路)というやつは
原則4車線必要としていました。なので、ほとんどの高速道路が4車線以上あります。
ただ、将来は4車線にする計画はしているが、
とりあえず2車線(片側1車線)だけど自動車専用道扱いにしてJHで作ってしまう、
という、「暫定2車線」というのもあります。
今回のものは、現在、暫定2車で作られているものに対してどのように影響するのでしょうか?
やっぱり4車に広げるという計画は取り下げられないのだろうな、と思います。

2車線といっても、「追い越し区間つき」という注も重要です。
暫定2車線の道路を走ったことがある方は分かると思いますが、不便です。
特にこの種の道路は山間部に多いゆえ勾配がきつく、
大型車の後ろについてunhappyになった記憶のある方も多いと思います。
中央分離帯も不十分で、「高規格」道路として安全性を十分に確保しているとはいえません。
この辺は国交省も慎重にならざるを得なかったと思います。

併せて、注目すべきは乗用車専用道の承認?というか認定?です。
乗用車専用道は、都市内道路の容量拡大策として以前から期待を集めており、
1997年6月号の土木学会誌でも紹介しています。
東京外環道路の構造案としても注目されていますし、
パリの外環道路も一部このような考え方が取り入れられています。(土木学会誌2002年4月)

閉塞感のある道路開発分野ですが、
需要の高い地方部が如何に積極的にこの改訂を活用していくのか注目されます。

「高速道路無料化」の議論

民主党の菅直人代表は6月22日午後、鳥取県米子市で講演し、次期衆院選の経済対策の目玉公約として高速道路無料化を掲げる考えを示しました。無料化の財源としては、「自動車1台当たり年5万円課税すれば3兆5,000億円になる」ことを挙げています。

 ・6月22日 産経新聞[注1] 「3年で高速道料金無料化」 菅代表、政策綱領に盛り込む考え
 ・6月22日 毎日新聞[注2] 民主・菅代表:高速道料金を無料化、党政策綱領に

野党の党首の発言ではありますが、従来タブー視されてきた高速道路の無料化問題ついて、政治の場で議論が行なわれることに意義があるのではないでしょうか。

なお、与党自民党の亀井静香氏も、道路四公団民営化委員会の議論とは一線を画し、高速道路の直轄事業化による通行料金の無料化を主張しています。

欧米では高速道路は原則無料(米・英・独・豪など)か、有料の場合(仏・伊・スペイン・オーストリアなど)でも国費の大幅な投入によって、通行料金は日本よりもはるかに安く抑えられています。最近、欧州では無料だった高速道路を有料化する動きがありますが、これは「環境税」のような意味合いであり、日本のように建設費の償還を目的とした課金とは性質を異にします。

高速道路の費用負担のあり方について、日本でももっと議論が進むことを期待します。

注1: 「記事検索」で“高速道料金無料化”を検索して表示可
注2: 「ジャンル別速報」「政治」に掲載、投稿時点では検索不可

高速道路の長距離割引社会実験

国土交通省では,一般道路を利用している長距離走行車の高速道路への転換を促進させるため,社会実験を実施することになりました。300kmを越える利用に対して割引率を大きくし,最大で60%割引(900km超の場合)となります。ただし,ETC車載器を搭載した車両が対象です。

  実験実施期間は,平成15年7月19日〜平成16年1月18日(予定)です。国土交通省 報道発表資料