見ましたか?(コミック誌に描かれた土木技術者)

皆さんは、ビッグコミックという青年対象の漫画雑誌をご存知でしょうか?3月10日付けの原辰徳監督が表紙になっているビッグコミックに掲載されている「ゴルゴ13」という漫画に、土木技術者が出演しています。現会長とおぼしき杉原会長、土木学会とおぼしき日本土木工学会、昨年の仙台大会での会長の発言要旨、土木技術者の置かれている現状や土木技術者の心意気など、好意的に描かれています。十分な取材もなされているように感じました。また、ODAや河道閉塞などの簡単な説明もなされています。この号のラストでは、「ゴルゴ13」と会長がフィリピンの河道閉塞の発生現場で会うところで終わっています。次回の展開が気になるところです。土木技術及び土木技術者に対する社会への認知という点では、効果的なように思います。先ずは情報提供させていただきました。

The book "200 Questions and Answers on Practical C

A civil engineer in Hong Kong has publised the Civil FAQ. The FAQ is taken out from his book "200 Questions and Answers on Practical Civil Engineering Works" which contains many useful questions that civil engineers may come across during their day-to-day work. As such,

The book can be accessed on the WFEO site. It is very interesting and useful for many engineers, particularly young engneers.

(ファイルはこちら)

「制海のいしずえ」出版

榎本武楊ら明治の群像が活躍する『制海のいしずえ』(片山 徹著)がe-Bookland
から電子出版になりました。帝国日本の港湾建設に尽力した親族高橋辰次郎の足跡をたどる歴史資料です。一読していただけたらと思います。三代土木学会長野村龍太郎、四代石黒五十六の足跡も含まれています。自費出版のため紙本の部数は限定されていますが、これから印刷にはいります。法人に限り連休までに10冊単位で連絡いただければ対応したいと思っています。 片山 徹

前田建設ファンタジー営業部

今年の書評の総括によれば、書籍のメディアミックス化が進んだといわれています。いわゆるネット発書籍(2004年8月30日付けITmedia記事)の登場であり、新しい読者層を開拓し、それが書籍の売上にも繋がっったようです。

表題の書籍もそのひとつ。前田建設WWWの名物コーナーである(らしい)ファンタジー営業部が書籍化されたものです。内容は、有名なアニメの中にでてくる秘密基地や建造物を、アニメの想定情報をもとに、実際に建設事業として計画してみたらどのように検討するのだろうか、というもの。さわりはファンタジー営業部web版をご覧ください。
(ちなみに、web版も見てみたが、書籍のほうが読みやすい。)

私がここでいろんなことを書いても土木関係者としての感想しかかけないので、いろんな評判をネット上で拾ってみました。以下、私の独断による抜粋。

・実際の建設会社が手がけたというのがユニーク
・公開当時見ましたけど結構まじめに考えてるんですよね。すごいなぁと感心してみてました。
・いいじゃんいいじゃん、すきだなぁ、楽しいよこういうの。
・今度うみほたるに行ったらば、シールドマシンの刃のモニュメントの前で記念撮影してこなくっちゃ(笑)。
・会社も本物、内容大マジ。いや、楽しませてもらいました。
・あれこれ専門家(実務の現役バリバリさん!)が繰り出してくるプランがゾクゾクするように面白かった。この本は「物理や化学、理科を学校で勉強して何の役に立つの?」という問いへのひとつの回答になると思います。
・(次回の)工事は発着用高架橋だそうで…こちらも楽しみ!

(googleで前田建設ファンタジー営業部として
 1ページ目だけに出てきたリンクを辿って集めたもの)

土木学会では「土木の社会化」というスローガンを掲げてさまざまな一般向けアピールに取り組んでいますが。社会化というのは、一概にやり方が決まっていないので、いろんな方法がとれて面白いとおもいます。

本書はそのいろんな方法のひとつであり、取りようによってはかなり極端なところにあるかもしれませんが、(上記のように)確実にこれまで土木に縁が無かった(と思われる)層に受け入れられた取り組みだなぁ、と感心しました。

土木学会刊行物、平成16年3月〜5月の新刊情報

以下の新刊についてお知らせいたします。
詳細は、土木学会ホームページ刊行物案内をご参照下さい。
1.CD-ROM 岩盤崩壊の考え方―現状と将来展望― 実務者の手引き

■編集 岩盤力学委員会 岩盤崩落問題研究小委員会
   (委員長:京都大学・大西 有三)
■発行 平成16年3月発行
■体裁 B5判,CD-ROM+小冊子,ケース入り
■税込定価 3,780円(本体3,600円+税5%)
■会員特価 3,410円 ■送料 450円
■ISBN ISBN4-8106-0441-1-C3051
2.土木学会誌叢書3 土木とコミュニケーション

■編集 土木学会誌編集委員会
   (委員長:岐阜大学・六郷 恵哲)
■発行 平成16年5月発行
■体裁 B6判,136ページ,並製本
■税込定価 1,260円(本体1,200円+税5%) 
■会員特価 1,140円 ■送料 450円
■ISBN 4-8106-0472-1-C3051
3.構造工学シリーズ15 衝撃実験・解析の基礎と応用

■編集 構造工学委員会衝撃実験・解析法の標準化に関する研究小委員会
   (委員長:室蘭工業大学・岸 徳光)
■発行 平成16年4月発行
■体裁 A4判,403ページ,並製本
 付録CD-ROM(鉄筋コンクリートはりの衝撃実験と数値シミュレーション)つき
■税込定価 6,615円(本体6,300円+税5%)
■会員特価 5,950円 ■送料 590円
■ISBN 4-8106-0412-8-C3051

岩波書店「ダム撤去」

[事務局注: 翻訳者本人からの投稿です]
ダムにも寿命があります。「ダム撤去」は是非皆様に読んでいただきたい一冊です。そして是非ご意見をお聞かせ下さい。リバーポリシーネットワークは市民、行政、研究者、産業界の方々に国内外の河川政策最新情報をお届けし、真の対話を促進することを目的とするNGOです。詳しくは http://www.mm289.com/RPN/

アメリカには世界最大の76000基のダムがあり、これまで水力発電のほか農業用水、内陸交通、治水、飲料水、工業用水などに利用されて、米国の経済的な発展に少なからず貢献してきたといわれています。
しかし一方でダムは自然の水系を変え、川を分断し、多くの河川や氾濫原を埋没させてしまいました。またダムは川辺や水系の生息地を変化、消失させてしまいましたが、その中には絶滅の危機に瀕した植物、動物、鳥や魚を支えてきたものもあります。さらに多くのダムがその使用に耐えうる寿命を越えようとしており、その安全性やメンテナンス経費も見直されなければならない状況となってきました。また、都市化やさまざまな開発によって、危険な状況となっている所もあります。
このような問題を解決するための選択肢として、昨今「ダム撤去」はより広く受け入れられるようになってきたのです。現在のところアメリカの川から撤去されたダムの数は少なくとも500基は越えていると言われていますが、今後その数はますます増えていくだろうと考えられています。
本書はハインツセンターによって組織された地理学、経済学、工学、環境法、州と連邦の行政官、環境コンサルタント、水力工学、ダムの安全性、水力発電、水性生態系管理などの専門家によって書かれており、ダムの所有者、自治体、市民などがダム撤去の決定を下すための手助けとなるように、ダム撤去によって起こるであろう環境的、社会的、経済的結果やそれぞれのケースにおいて指標とすべき環境的、社会的、経済的データを提示しています。
アメリカと同様に、日本でもおよそ1500基ある大規模ダムのうち100基以上が築90年以上を経て老朽化しており、安全性・コストの面からも、今後「ダム撤去」の論議が避けられない状況となっていることは最近広く知られるようになってきました。本書がめざすのは「ダム撤去あるいはダムの存続のいずれかを提唱しているわけではなく、あくまでも客観的な視点から入手可能な限りの科学的情報を提供することである。なぜなら、最高の意志決定はまずできる限り知ることから生まれるとの信念に基づいているからである」と序文にも述べられているように、これまでに類のない科学的に緻密で客観的な「ダム撤去」に関する報告として、ダム賛成派・反対派を問わず、各自治体・国土交通省の関係者、市民団体、NGOなどにとっても必携のハンドブックとなるでしょう。
 もくじ 

日本語版への序文  デイビッド・ウェグナー
序文
本書の概要
1 本書の背景について   
1 研究の目的と見通し/2 アメリカのダム国勢調査/ 3 ダム建設の理由/ 4 今ダム撤去の理由/ 5 アメリカで撤去されたダム/ 6 ダム撤去の科学的リサーチの現況/ 7 結論と勧告
2 「ダム撤去」の決定
1 ダム撤去の経済学/ 2 情報に基づく意志決定/ステップ1〜ステップ6 データの収集、意志の決定から評価まで/結論と勧告
3 「ダム撤去」の物理的結果
1 物理的完全性とはどういうことか/ 2 河川の空間的・時間的状況/ 3 河川の分断/ 4 河川の水文学/ 5 ダムの堆積物/ 6 地形学 7 水質/ 8 結論と勧告
4 「ダム撤去」による生物学的結果
1 水生の生態系に対するダム撤去の潜在的な影響/ 2 水生生態系の再生計画―再生に影響を与える要因/地表と水辺の植物相の再生/河川の浄化能力/水辺の特徴と土地利用/生物相のサイクル/水質など/ 3 結論と勧告
5 経済学と「ダム撤去」
1 「何もしない」という選択/ 2ダム撤去の結果の評価/ 3撤去によるプラスの結果/4撤去の負の結果/5 ダム撤去の経済的分析への挑戦/6結論と勧告
6 「ダム撤去」の社会的側面
1 美観と社会的価値/ 2 アメリカ合衆国におけるダムとネイティブ・アメリカンの文化/ 3 ダム撤去事業の社会的影響評価/ 4 結論と勧告
7 「ダム撤去」に影響するアメリカの法律
1 水力発電ダム/ 2 ダムの安全プログラム/ 3 自然のシステムの保護/ 4 ダム撤去に影響を与えるその他の法律
将来に向けて
解説1 日本のダム撤去の社会的側面 保屋野初子
解説2 日本のダム撤去の生態学 粕谷史郎
付録・著者紹介

土木学会誌叢書2 合意形成論−総論賛成・各論反対のジレンマ−

本書の構成は,「合意を考える」と「合意形成に向けて」の2部構成からなっています。
その内容は,デモクラシーの本質を論じるものから,人々の心の奥底に横たわる社会的心理を論ずるものや,現場で適用が始められている社会技術に基づいた努力を論ずるものまで多岐にわたって記述しています。
このような知見は,合意形成の問題を考える上で是非とも共有すべきものと考え,土木学会誌では10回に分けて掲載していたものを一まとめにし,土木学会誌叢書第2号として出版することとなりました。

 ■編集:土木学会誌編集委員会 
  (委員長:岐阜大学・六郷 恵哲)
 ■平成16年3月発行,B6判,182ページ,並製本
 ■定価:1,260円(本体1,200円+税5%)
 ■会員特価:1,140円 ■送料:450円
 ■ISBN 4-8106-0469-1

詳細は、土木学会 刊行物案内 まで

週刊エコノミスト「迷走 道路公団改革〜高速道路を無料化せよ〜」

毎日新聞社の「週刊エコノミスト」平成15年9月30日号に,「迷走 道路公団改革〜高速道路を無料化せよ〜」と題する特集記事が掲載されています。

編集部による解説のほか,改革試案として,次の2つの論文が掲載されています。

・改革試案1: 国民負担を増やさずに高速道路は無料化できる
 山崎養世氏(山崎養世事務所代表,前ゴールドマン・サックス投信社長)

・改革試案2: 民間資本活用の「修正PFI方式」で無料化を
 住田正二氏(東日本旅客鉄道相談役)

このうち住田氏の案は,「道路と鉄道は事業の性格が異なる」としたうえで,道路関係四公団民営化推進委員会の「恒久有料化」とも,山崎養世氏や民主党の「税金による無料化」とも異なる,“第三の道”を提案するものです。

ご一読をお薦めします。

(本記事に対するコメントは,「意見交換広場:高速道路の無料化について」または「意見交換広場:道路公団民営化―採算性のみで議論してよいのか」へお願いします。)

高速道路はタダにできる〜「日本列島快走論」で田中角栄を超えろ〜

中央公論」2003年9月号に,シンクタンク代表の山崎養世氏(元ゴールドマン・サックス投信社長)が,「高速道路はタダにできる〜「日本列島快走論」で田中角栄を超えろ〜」という論文を発表しています。
また,平成15年8月26日付の読売新聞(朝刊)の「論陣・論客」でも,高速道路の無料化が採り上げられ,山崎養世氏と田中一昭氏(道路関係四公団民営化推進委員会委員長代理)へのインタビュー記事が掲載されています。

高速道路の無料化については賛否両論がありますが,最近の山崎養世氏の活動は各種メディアで話題を集めていますので,ご一読をお薦めします。
(本記事に対するコメントは,「意見交換広場:高速道路の無料化について」へお願いします。)

トヨタが造る空港〜カイゼンで1000億円安くなる〜

「日経ビジネス」2003年5月5日号の特集記事(日経ビジネス EXPRESSで"トヨタが造る空港"をサイト内検索すると目次を見ることができます。)で,中部国際空港建設工事でのトヨタ方式による大胆なコスト削減が紹介されています。

トヨタのお家芸の「カイゼン」でコスト圧縮効果が随所に現れ,約7,700億円の事業費のうち早くも1,000億円が削減される見通しとのこと。事業費が計画の1.4倍に膨れ上がった関西国際空港1期工事の事例と比較しながら,官の常識を覆す「3つの核心」を指摘しています。

これからの公共事業の大きなヒントとなるのではないでしょうか。